プロフィール

東北日本ハム株式会社
ハムソーセージ事業部
アレルギーケア工場
工場長

メーカー分野 島根 正則さん

■米粉に出会うまでには、長いストーリーが

特定原材料7項目(卵、乳、小麦、そば、落花生、えび、かに)を一切使わない「みんなの食卓」シリーズで、国産米粉100%で製造した米粉パンの販売を開始するまでには、長いストーリーがありました。
いまから15年前、アレルギーを持つ方にも安心してハム・ソーセージを召し上がっていただきたいという想いで、医師の方々にも多大なご協力をいただき、食物アレルギー対応の商品開発を始めました。当時は食物アレルギーという言葉がまだ一般的ではなかったこともあり、食品が提供される場は病院などに限られていました。皆さまからはお喜びの声を多数いただくことができたのですが、食べられる場所、機会が限られているなどの問題がありますので、「店頭で買えるようになれば、毎日の食生活がもっと楽しくなる」といった声も多くありました。
そして、「アレルギーを持つ方のための食品を作ろう」ではなく、「普通に店頭に並んでいるけど、アレルギーを持つ方も食べられる食品を作ろう」と考え方を変え、シリーズ食品の販売を開始したのです。「みんなの食卓」というブランド名には、そういった想いが込められているんです。

■タイミングよく米粉に出会うことができた

店頭で食物アレルギー対応のハム・ソーセージが買いたい、というご要望に応えたあと、今度は外食だということで、業務用の食品にも取り組むようになりました。でも、たとえばアレルギーを持ったお子さんがハンバーグやウインナーを食べられるようになっても、それだけでは十分とは言えません。パンも食べたくなるし、麺も食べたくなる。そういったニーズ、ご要望があるはずなのです。そして多くの方に安心して食べていただけるよう、小麦に代わるものを探しているとき、私たちは米粉に出会いました。話題性もありましたし、タイミングが非常によかったと思います。

■流通さんが大きな原動力に

米粉を扱うに当たって、やはりコストの問題はありました。当時、値段が高かったこともありますし、食物アレルギー対応にするためには小麦を扱っているラインでの製造ができないので、どうしても米粉だけの独自ラインが必要になりますし。これらをすべて価格転換すれば高くなるのは当たり前です。でも、アレルギーを持つ方は、普段から価格の負担をされています。トータル的に食物アレルギー対応のご提案をしている私たちとしては、価格の面も何とかしたかった。製造の現場だけでなく、開発部門、マーケティング部門、みんなで連携して取り組みました。
あと、大手の流通さんが食物アレルギー対応の食品に非常に力を入れているという背景がありましたので、それが大きな原動力になりましたね。

■みんながハッピーになれば

山形県の庄内平野は米どころとして有名ですが、地元自治体には、新規需要米の利用拡大という大きなテーマがありました。私たちはぜひ力になりたいと、米粉用米の買取契約を結ばせていただき、これを米粉パンの原料に使用していきます。
生産の工程から地元の方と手を組んでの商品開発は、原料を自らの手で作るということがこれまでになかった私たちメーカーにとって非常にいい経験になりましたし、地元の地域活性につながったのでは、と考えています。地元農家の方々には安心してお米の生産ができるようになってほしいので、これからもこういった取り組みをしていきたいです。
私たちの事業は、相手があってこそ成り立ちます。こういった商品を世に出すのは、メーカーだけでは実現できないことです。決して食物アレルギー対応はもうかる事業ではありません。でも、われわれでないとできないことだと信念をもって取り組んでいます。私たちの取り組みが拡大し、最終的にみんながハッピーになればうれしいですね。


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