事例のご紹介

公益社団法人 東京生薬協会
〒101-0031 東京都千代田区東神田1-11-4
薬用作物の国内栽培をサポート
プロジェクト・ストーリー
薬用作物に関する知識・経験を活かして

 東京生薬協会は、薬用作物や生薬の安定的な確保とその振興を図るために昭和28年に設立された公益社団法人で、薬用作物・生薬に関する研究や広報、東京都薬用植物園の管理事業、薬用作物国内栽培事業などを行っています。
 医薬品の原料となる生薬の供給は、約90%が輸入に依存しているのが現状で、とくに近年は価格の上昇や品質のばらつきなどが課題となっています。一方、薬用作物の国内栽培については農業の活性化を図る新たな分野として全国的に注目されはじめています。こうした中、平成26年度からは国の補助金事業が開始されたこともあり、同協会はその知識と経験を活かして栽培指導員の派遣や栽培技術の提供など、本格的に薬用作物の国内栽培に対する支援を行っています。

イノベーション・ポイント
公益性の高い連携で遊休農地を活用

 薬用作物の試験栽培を希望する自治体から要請を受けて同協会が現地調査を行い、気候や土壌などの農地環境が栽培に適していると判断した場合はその自治体と連携協定を結び、種苗の提供や経験豊富な栽培指導員による指導などを行いながら試験栽培をサポートしていきます。同協会と自治体との連携によるこうした取り組みは、メーカーと生産者間の契約栽培に比べて生産者にとってリスクが少なく、また、自治体が所有する遊休農地を利用できたり、国の支援を受けることができるなどのメリットがあります。
 いち早く連携を開始したのが秋田県八峰町。平成24年6月に「薬用植物国内栽培の促進に関する連携協定」を結びました。その後、平成25年2月に秋田県美郷町、平成26年4月に新潟県の新潟市と新発田市が協定を締結。各自治体の遊休農地などでウイキョウ、カミツレ、キキョウ、カンゾウ、トウキ、ミシマサイコなど約10品種を栽培しています。
 現在、どの自治体も順調に生育が進んでおり、平成27年からは成長した薬用作物が日本薬局方の基準値をクリアしているか、成分分析を行う予定です。分析結果を踏まえて本格栽培するものを選定し、品種が決まれば大量生産へと前進します。

今後のビジョン
薬用作物の一大産地を目指して

 平成27年3月下旬には、新たに2ヵ所の自治体が同協会と協定を結ぶ予定です。 「今後も薬用作物の国内栽培を積極的にサポートしていきます。そのためにはもっと栽培指導員を増員する必要があり、指導員養成にも力を入れていきます」と事務局長の田中建次さんは語ります。
 同協会では、薬用作物の国内栽培事業を通じて生薬の安定供給と農業の活性化、さらに消費者の安全・安心の観点から生薬のトレーサビリティを目指していきます。

担当者の声
 農薬は原則使用しないため「除草などの手間が大変」など生産者も苦労していますが、「薬用作物で町を元気にしたい」と期待も大きいようです。

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