事例のご紹介

一般財団法人 日本きのこセンター菌蕈研究所
〒689-1125 鳥取県鳥取市古郡家211
原木しいたけの味と機能性で地域活性化へ
プロジェクト・ストーリー
国産原木しいたけの普及が使命

 日本きのこセンターは、菌蕈(きんじん)研究所を中核的機関として、菌類の生態や遺伝、生理の基礎研究から優良品種の開発、栽培、経営、流通に関する応用研究まで、幅広く取り組んでいます。
 とくに力を入れているのが、国産原木しいたけの普及。原木栽培はクヌギやコナラの原木を使って山林で栽培するため、重労働であることや天候に左右されることなどから生産者は減少傾向にあり、消費されている生しいたけの約80%がおがくずを使った菌床栽培となっているのが現状です。そこで日本きのこセンターでは、生産者に原木栽培の技術や経営に関する技術を提供し、所得向上をバックアップしています。同時に、原木しいたけの味、香り、歯ごたえなどのおいしさや栄養価を消費者に伝え、食べてもらうためのさまざまな販促活動を行っています。

イノベーション・ポイント
機能性を活かした「しいたけパワー115」

 原木しいたけ普及のひとつとして開発されたのが栄養補助食品「しいたけパワー115」。鳥取産の代表品種「菌興(きんこう)115号」を使用し、鳥取県、日本きのこセンター、鳥取大学医学部、菌興椎茸協同組合の産官学チームによる商品として開発し、販売しています。「しいたけパワー」には食物繊維、ビタミンD、レンチナンなどの栄養成分が豊富に含まれているので、手軽に食べて栄養をとれるよう顆粒タイプと粉末タイプにしました。
 「私たちは環境保全型・循環型農林業である原木栽培用の品種開発を行ってきましたが、とくに「菌興115号」は超肉厚でおいしさも栄養価も世界に誇るしいたけ品種です。いろいろな食べ方をしてほしいですね。消費が増えれば安定供給につながり、さらには原木に使うクヌギやコナラなどの循環利用が進み、環境保全に貢献することになるのです」と日本きのこセンター菌蕈研究所所長の福政幸隆さんは思いを語ってくれました。

今後のビジョン
鳥取ブランドのきのこで地域を元気に

 日本きのこセンターでは、15年かけて胞子の出ないエリンギ「菌興PE1号」を開発し、平成26年10月から販売を始めました。胞子は生産者が肺炎を起こす原因となっているほか、特有のにおいを発するため苦手な人も多く、胞子が出ないものは生産者にも消費者にも優しい品種で、全国展開を目指しています。
 さらに、鳥取県全体での新たな取り組みも始まっています。鳥取県、鳥取市、生産者や日本きのこセンターをはじめとする関係団体で構成される協議会を立ち上げ、10年後の「きのこ王国とっとり」実現を目指すため、「鳥取県きのこビジョン」を作成。原木しいたけ「菌興115号」のブランド化による全国展開や、きのこを生薬や創薬向けの原料とするための研究などによる新たなきのこビジネスの創出などを柱として、地域の活力アップを目指します。

担当者の声
「中山間地域を支えるきのこ産業の発展のためにも、自然環境を守るためにも、鳥取ブランドきのこの普及を目指しています」

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