流通部門

販売活動部門は、国産農林水産物や国産食材を活用した加工食品の消費拡大につながるサービスの提供、流通やフードシステムの工夫、販売活動等が対象です。産地連携や業種間コラボレーション、課題解決型の事例が寄せられました。

最優秀賞

有機栽培に取り組む産地のネットワーク九州共同物流の取組

西日本有機農業生産協同組合/パルシステム生活協同組合連合会

所在地 東京都新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿
電話 03-6233-7241
URL http://www.pal-system.co.jp
e-mail pal-kouhou@pal.or.jp

九州から大都市圏へ農産物を安定供給するために、流通販売4団体が連携。 新たな物流システムで輸送時間を短縮化し、品質や鮮度の維持も実現した。

ライバルの垣根を越え4団体が協力

少子高齢化に伴う人材不足に加え、関越自動車道での深夜バスの事故を契機に国のドライバーへの就業条件の法令と罰則が強化され、長距離ドライバーは不足の一途をたどっている。さらに原油価格の高騰で輸送コストが値上がり、運送会社は運賃を値上げせざるを得ない。そういった状況から、有機農産物や環境に配慮した農産物を出荷するロットの小さな生産者たちは運送会社から運賃の大幅値上げを求められたり、さらには出荷拒否や取引自体を停止されたりという事態を抱え、トラックの手配に苦慮するようになった。そこで、このような生産者たちの産直農産物を扱う点で共通しているパルシステム、生活クラブ生協、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやら関東の流通販売4団体がライバルの垣根を越えて協力し、九州から関東に向けた青果物の相積みを行う共同運行便を組み立てた。物流の運用は福岡県久留米市に本部を持つ丸善グループが行う。これにより、国の法令をクリアした上で、なおかつ農産物の品質・鮮度もよいままに九州(福岡)〜東京の輸送時間を従来よりも短縮した新しい物流システムが誕生した。

ドライバーは交代制で最大3時間30分の短縮

共同運行便では、九州全域を8ブロックに分け、近隣の産地から小型車で集荷した野菜を各ブロックに集約する。そしてブロックで大型 車に積み替えて、兵庫県の西宮ターミナルに輸送。ここで目的地別に荷物を積み替え、ドライバーを交代して東京に向かう。従来は九州から東京まで1人のドライバーが運んでいたため、4時間走行ごとに休憩を入れながら滋賀近辺で8時間の休息を取り、東京に着くのは最短でも27時間30分はかかっていた。これが共同運行便では、西宮ターミナルで荷物の積み替えに5時間を要したとしても、輸送時間は約24時間ですみ、3時間30分短縮される。また、西宮ターミナルでドライバーが交代するので国の法令もクリアしている。集荷から納品まで一貫したコールドチェーンなので、商品の品質や鮮度についても安心だ。

九州をモデルに東北や北海道でも

当初は、西日本有機農業協同組合に所属する生産者を対象としていたこの取組も、口コミで良さが広まり、同じく九州で環境保全型農業を行う中小産地も加わって参加が広がっている。さらに、中継点の西宮ターミナルから共同運行便に相乗りする中国・四国地方の産地も出てきた。引き続き関西以西の参加産地を増やしながら、安定した物流とコストの低減を図っていく。そして、物流環境が悪化しているのは九州に限ったことではない。この九州の取組をモデルに、今後は東北や北海道など各地の物流改善にも応用していく予定だ。また、加工品や工業品など品質や商品事故にならない組み合わせでの共同運行便も視野に入れている。産直を肝とする流通販売団体が横につながった新しい共同の形。これからも産地にかける負担をできる限り減らしながら、物流業界の人材不足解消と消費者のメリットにつながる取組を追求していく。

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優秀賞

だしのうま味を活用した「だし活」で減塩推進!

青森県 農林水産部 総合販売戦略課
所在地 青森県青森市長島1-1-1
電話 017-734-9572
URL http://www.umai-aomori.jp/dashi-katsu/dashi-katsu.phtml
e-mail hanbai@pref.aomori.lg.jp

青森県では県民の健康寿命の延伸に向け、だしのうま味を活用して減塩を推進する「味感を育む『だし活』事業」を平成26年度から実施している。「だし活」の普及啓発を図るとともに、県産食材を使用した簡単にだしが取れる商品「できるだし」を、食品メーカーや栄養教諭等と連携して開発した。県民が同商品を購入しやすいよう、開発段階から流通業者に参画してもらい、その結果、平成27年9月末現在で小売用「できるだし」は約220店舗のスーパーなどで扱われ、発売開始から約6か月で累計3万6千個以上を出荷。「だし活」の取組も地元ニュースで多く取り上げられたことで県民に広く認知され、現在は県民運動に発展している。

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優秀賞

「もったいない食材」を利用した流通開発プロジェクト

株式会社エードット
所在地 東京都渋谷区南平台町1‐9 南平台宝来ビル7F
電話 03-3461-0985
URL https://www.a-dot.co.jp/
e-mail a.nakagame@a-dot.co.jp

日本の莫大な食料廃棄ロスという社会課題を受け、味や品質はまったく問題がないのに廃棄される「もったいない食材」を生産者や卸売業者から仕入れて消費者に料理として提供し、事業収益を上げながら食料廃棄量削減に取り組む。2014年12月には、この取組に賛同する飲食店経営者と共同で「もったいない食材」を使用した飲食店第一号「魚治」を東京・丸の内にオープン。多数の協力者とともに仕入れ〜物流〜店舗運営のサプライチェーンを構築できた結果、これまでのべ2万人を超える消費者に「もったいない食材」を使用した料理を提供している。これまで廃棄されていた食材に新たな市場価値を生み出し、今後も消費拡大を図っていく。

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優秀賞

「宮崎県日南市 塚田農場」の生販直結ビジネスモデル

株式会社エー・ピーカンパニー
URL http://www.tsukadanojo.jp/

宮崎県が開発したブランド地鶏「みやざき地頭鶏」を同県内に直営養鶏場を建設し契約農家とともに自社生産し、「宮崎県日南市 塚田農場」や「じとっこ組合」など全国に展開する146店舗(2015年8月末現在)の居酒屋で提供。問屋などの中間流通を省き、地鶏の生産・加工から店舗での販売までを一気通貫で手がける独自のビジネスモデル「生販直結モデル」により、従来は専門店で客単価6,000〜8,000円だった地鶏を、客単価3,800円ほどで提供することが可能となり、外食市場に国産地鶏の新しい需要・価値を創出した。また全国に店舗展開することで「みやざき地頭鶏」の認知・消費の拡大と地鶏生産地の地域経済に貢献する。

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優秀賞

家で、街で食べたくなる地魚使用商品の開発

小田原の魚ブランド化・消費拡大協議会
所在地 神奈川県小田原市早川1-10-1
電話 0465-22-9227
URL http://www.odawara-sakana.com
e-mail suisan@city.odawara.kanagawa.jp

地元の商工会議所、小田原市、小田原市漁協、小田原魚市場関係者らで「小田原の魚ブランド化・消費拡大協議会」を結成し、消費拡大の余地がある未利用・低利用魚を市民や観光客のニーズに合った商品にして販売する。「簡単・手軽に・短時間で」がコンセプトの加工品ブランド「小田原城前魚」は、小田原の地魚を使った蒲鉾、干物、揚物など7企業から16商品がラインナップ。また、カマスの中骨を除いて棒フライにした「北条一本ぬきカマス」は、ストリートフードとしておやつ感覚で楽しめる。今後も商品の充実を図るとともに、食べやすい商品は、学校給食や介護施設・病院用の食事としても利用されるよう普及に努めていく。

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優秀賞

耕作放棄地で無農薬ユズを栽培・商品化

北川村ゆず王国株式会社
所在地 高知県安芸郡北川村加茂236-1
電話 0887-38-8747
URL http://www.yuzuoukoku.jp
e-mail info@yuzuoukoku.jp

耕作放棄地となっていたユズ畑を借り受けてユズを栽培し、契約園地で栽培された青唐辛子と合わせて「高知北川村のゆずごしょう」を生産している。ユズは無農薬栽培にこだわり、地域の特産品になることをめざした。また、ユズとともに原料となる青唐辛子の栽培はユズ農家に委託することで、収穫シーズン以外の農家の収入源となっている。ゆずごしょうのほかにも、サイダーやぽん酢なども商品化し、さらにはフランスへの輸出にも取り組む。現在は販売数量が増えてユズが足りなくなり、耕作放棄地の借り受けを増やしている状況だ。「北川村ゆず」の知名度を向上させるとともに、製造・販売の拡大で地元の雇用増大にも貢献している。

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優秀賞

キリン氷結®
「いいね! ニッポンの果実。」プロジェクト

キリンビール株式会社
所在地 東京都中野区中野4-10-2
電話 03-6837-7063
URL http://www.kirin.co.jp/products/rtd/hyoketsu/kajitsuproject/

キリングループが経営の中核に掲げる「事業を通じてお客様や社会と共有できる価値の創造」という理念を体現化した商品として、地域農産物を応援し国内各地域の魅力的な果実を使った特別な「氷結R」を開発。2015年は「いいね! ニッポンの果実。」をキャッチフレーズに、消費者に驚きと感動を提供するとともに、地域果実の認知度・ブランド力の向上や、国内各地域の活性化を図った。また、東北エリアについては、震災以降の復興支援を目的に、福島県を中心とした農産物の安全性を継続的に発信している。2015年のラインナップは、福島産桃、山形産ラ・フランス、長野産プルーン、福島産梨で、春から秋にかけて限定出荷で順次発売した。

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優秀賞

北海道のジビエとして安全なエゾシカ肉の販売拡大

生活協同組合コープさっぽろ
所在地 北海道札幌市西区発寒11条5丁目10-1
電話 011-671-5601
URL http://www.coop-sapporo.or.jp/

個体数増加で社会問題となっているエゾシカを食材として活用するため、北海道庁エゾシカ対策課と連携して、一定水準の安全性が確保されたエゾシカ肉を2013年から道内の大型スーパーとしては初めて販売している。生肉をはじめ、大和煮やスープカレー、ソーセージなど鹿肉を使った10の加工品も展開。2013年の取組店は6店舗だったが、反響が大きかったことから2014年には10店舗に拡大し、14年度の使用頭数は約700頭に上った。従来は一部レストランでの消費はあったものの、道民が鹿肉を食する機会は非常に少なかった。今回の取組によりエゾシカの被害対策とともに消費者にエゾシカ肉を地元のジビエとして食べてもらう機会を拡大した。

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優秀賞

地元商品だけの株主優待カタログで地域を活性化

株式会社常陽銀行
所在地 茨城県水戸市南町2-5-5
電話 029-300-2086
URL http://www.joyobank.co.jp/

東日本大震災において、直接的な被害に加えて、風評被害により、地元の食関連事業者は甚大な被害を受けた。常陽銀行では、震災からの復興に向け、全行的なプロジェクトとして「地域復興プロジェクト『絆』」に取り組んできた。その一環として平成24年より、新たに当行株主2万人を対象に株主優待制度を開始。株主優待制度は、地元産品を掲載した「株主優待カタログ」により、株主が希望する産品をプレゼントする仕組み。地元産品の販売促進、認知度向上にもつながっている。加えて、ホテルの宿泊券も掲載しており、観光振興にも貢献している。こうした取組は、地方創生にもつながるものであり、今後も継続して取り組んでいく。

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優秀賞

地方食材創作メニューフェア

株式会社鉄道会館
所在地 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
電話 03-6212-1734
URL http://www.tokyoinfo.com/

「食」の面から地域情報を発信する創作メニューフェア。日本の中央駅である東京駅構内で、JR東日本グループ最大規模のレストラン(約90店舗)と飲食物販店舗(約100店舗)を運営管理しているスケールメリットを活かし、フェア期間中でしか味わえない、各地域の旬の食材や特産物、加工品などを使ったオリジナルメニューを創作し開発・販売している。フェアは毎回各地域にスポットをあて、年3回程度の頻度で2006年から継続して実施しており、毎回40〜60の店舗が参加している。今後はこのフェアを引き続き展開しながら、日本の「食」の魅力を広くPRするフェアの集大成として、日本全国の選び抜かれた食材を集めたフェアの開催も視野に入れている。

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優秀賞

消費者参加による豆腐開発と利用普及活動

新潟県総合生活協同組合
所在地 新潟県新潟市中央区新光町6番地6
電話 025-282-2000
URL http://www.niigata.coop/

新潟県阿賀野市産大豆100%と五頭山麓の水、海水由来のにがりだけを使用した「五頭のめぐみ」(きぬ・もめん)は、新潟県内の農家が豆腐用に生産した大豆を原料に、県内の工場で製造。それを新潟県総合生協の宅配事業を通じて県内の消費者(生協組合員)に届け、生産・消費連携の地域内循環スタイルが確立している。商品開発には生協組合員の声を活かし、商品化された後も組合員自らが組合員活動として試食会や手作り豆腐講習会など県産大豆を使用した豆腐の普及活動を展開する。2001年から続けてきたこの取組に追随し、現在は一般の量販店でも国産または新潟県産大豆使用の豆腐商品が増加。国産大豆の消費拡大に寄与している。

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