研究開発・新技術部門

研究開発・新技術部門は、生産・製造現場等における課題解決や国産農林水産物の消費喚起につながる研究開発成果や新技術が対象です。将来波及が期待できる先進性や独創性のある事例が寄せられました。

最優秀賞

初期むし歯対策商品「POs-Ca」(ポスカ)

江崎グリコ株式会社

所在地 大阪府大阪市西淀川区歌島4-6-5
電話 06-6477-8351
URL https://www.glico.com/jp/product/gumcandykids/posca

ジャガイモに含まれる糖を利用して初期むし歯対策に有効なガムを開発。 新しい歯のケア習慣を提供すると共に、国産ジャガイモの消費拡大に寄与した。

ガムによる新しい歯のケア習慣を提案

糖分は、おいしさと食べる喜びを与えてくれる、豊かな生活に欠かせないものである反面、歯への影響が懸念される。糖分を扱う食品メーカーにとって、むし歯予防への取組は人々に生涯食べることを楽しんでもらうために重要である。江崎グリコでは、逆転の発想で「糖」を利用したむし歯予防のための特定保健用食品ガム「POs-Ca」を開発した。開発のきっかけは、北海道産ジャガイモからブドウ糖をつくる加工工程で廃棄されていた部分に、「リン酸化糖」という、カルシウムを水に溶かす力の強い特殊な糖が濃縮されることを発見したことにある。これを分離してカルシウムと結びつけ、独自成分「リン酸化オリゴ糖カルシウム」(通称:POs-Ca、ポスカ)を開発し、ガムに添加した。江崎グリコでは、「POs-Ca」をおいしく食べてもらい、歯の健康を保つための新しいケア習慣を人々に提供していきたいと考えている。

「リン酸化オリゴ糖カルシウム」が
初期むし歯に有効

むし歯は、飲食後に口の中が酸性になると歯からカルシウムが徐々に失われることで生じるが、初期段階(初期むし歯)ならカルシウムを歯の表面に補給することで回復が可能である。しかし、歯は失ったカルシウムをだ液に溶けているカルシウムからしか補うことができないため、小魚など通常の食品のカルシウムは利用されにくい。その点で「リン酸化オリゴ糖カルシウム」は、水溶性カルシウムなのでだ液に溶けやすく、歯にもしみこみやすい。むし歯になる手前のもろくなった歯の表面の結晶のすき間に届き、歯をもと通りにかたく戻すことができる(歯の再結晶化)。この効果は臨床試験とあわせて、日本が世界に誇る最新鋭の実験施設「SPring-8」で証明された。これをもとに、特定保健用食品として商品化に至った。

国産ジャガイモの消費拡大にも貢献

家庭で誰でも初期むし歯のケアができるお菓子として「POs-Ca」は画期的であるが、一方で北海道産の農産物の新しい有効利用例としても注目されている。現在、東南アジア、中東、アフリカなどの新興国でむし歯は深刻である。国産ジャガイモ由来の優れたむし歯予防素材を使った商品を国外に発信することで、新興国の健康増進と同時に、国産ジャガイモの消費拡大にも貢献できる。一方、先進国の高齢者は歯が減って噛めず、若者は噛む回数が減ったために、新鮮な野菜など歯ごたえのあるものを敬遠していく傾向にある。むし歯予防ガムを噛んで「噛める歯」と「健康な顎」を保持すれば、結果的に国産野菜の消費をベースから支えられると考え、今後は食育を通じた普及活動にも取り組む意向だ。膨大な歯科医療費の削減の観点からも期待は大きい。また、災害時など飲用水の利用が制限された状況下でオーラルケアができない時にも「POs-Ca」は役立つことから、備蓄商品にも成り得る。今後もさまざまな観点から活用の幅が広がっていきそうだ。

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優秀賞

みかん鯛 みかんブリ みかんサーモン

「玄米オリザーノ」

会津天宝醸造株式会社
所在地 福島県会津若松市大町1-1-24
電話 0242-23-1616
URL http://www.aizu-tenpo.co.jp/
e-mail mame@aizu-tenpo.co.jp

会津産ひとめぼれ玄米を使用した、砂糖無添加、ノンアルコールストレートタイプの甘酒。琉球大学医学部第二内科、福島県ハイテクプラザ、会津天宝醸造が共同でダイエットサポート飲料として商品開発を行った。玄米に豊富に含まれる「γ‐オリザノール」という成分に着目し、臨床試験を実施。玄米を摂取することによって、被験者の体調が改善するとともに、高脂肪食への欲求が抑えられ、体重軽減につながることがわかった。また、玄米糀の発酵をコントロールし、甘すぎない味わいの良さも追究した。本商品で玄米の栄養と味のすばらしさを消費者に広めるとともに、福島県の風評被害を低減させる一助となることもめざす。

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優秀賞

みかん鯛 みかんブリ みかんサーモン

農産物の増収・品質向上を画期的に
可能にする技術の開発

岡山県農林水産総合センター生物科学研究所
所在地 岡山県加賀郡吉備中央町吉川7549-1
電話 0866-56-9450
URL http://www.pref.okayama.jp/soshiki/203/
e-mail seibutsu@pref.okayama.lg.jp

植物の単位葉面積当たりの光合成能力を飛躍的に高める物質「グルタチオン」を発見し、詳しいメカニズム解明に取り組む。さらに得られた知見や技術を社会に提供している。「グルタチオン」は肥料のように土壌に撒いたり、葉に散布したりと取り扱いが簡単で使いやすい。与えるタイミングさえ間違えなければ、収量の向上、糖度の向上、アミノ酸の向上などにつながることがわかってきた。現在、この技術知見を活かして、アミノ酸含量を高めた野菜のブランド化を近隣の市町村とタイアップして検討中。また、近隣の市町村をはじめとして行われている増収実証試験では、農家の収益性の大幅改善が期待できる結果が得られつつある。

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優秀賞

みかん鯛 みかんブリ みかんサーモン

生活習慣病を予防・改善する
沖縄県高機能米開発プロジェクト

沖縄県委託事業
知的・産業クラスター形成推進事業(国際共同研究事業)
生活習慣病を予防・改善する沖縄県産高機能米開発 事務局
所在地 沖縄県那覇市久茂地3-15-9 2F
電話 098-866-4660
URL http://www.niac.or.jp/
e-mail nako-tomori@nirai.ne.jp

現在、沖縄県では成人病の増加が深刻な問題となっている。そこで、食後の血糖値の上昇抑制、中性脂肪の減少など成人病の改善に役立つ高付加価値機能を持ち、なおかつ沖縄の気候で栽培しやすい新品種の米「難消化米」の開発に取り組む。それと同時に、県内では保護政策下にあるサトウキビ栽培に従事する農業者が多く、農家の高齢化が進む。この現状を受け、沖縄県の農業の将来のためにも「難消化米」が安定生産できるように農家の利益が見込める市場開拓を行う。現在は「機能性表示食品」の制度に対応する科学的証拠をもとに県内の5つの企業が商品開発を進める。来年度にはこの米を使った機能性表示食品を世に送り出す予定だ。

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優秀賞

みかん鯛 みかんブリ みかんサーモン

国内初のバナナの温泉湯気栽培

株式会社奥飛騨ファーム
所在地 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷栃尾21
電話 0578-89-2404
URL http://www.okuhidabanana.net
e-mail kasagatake@nifty.com

雪国・奥飛騨で、温泉宿の利用していない源泉かけ流しの温泉をハウス内に取り入れて流すことで、バナナ栽培に適した高温多湿の状態を再現。屋外が真冬のマイナス15度の環境下でもハウス内は気温30度・湿度100%の状態が常にキープでき、さらに奥飛騨は標高800メートルの地域でバナナ栽培に最適な日光が確保できることから、バナナが早く育ち、通常より2か月ほど早く収穫できる。また、湿度が高いため害虫もおらず、完全無農薬での栽培が可能だ。栽培技術の確立に試行錯誤し数年を費やしたが、完成した日本初の温泉湯気栽培によるバナナは、年々観光客が減っている奥飛騨温泉郷の新たな特産物として地域の活性化に貢献する。

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優秀賞

みかん鯛 みかんブリ みかんサーモン

米・野菜などを用いた「加水分解粉末」の開発

たかい食品株式会社/日本ハイドロパウテック株式会社
十勝清水町農業協同組合
所在地 新潟県見附市今町8-7-1
電話 0258-66-2487
URL http://takai-foods.co.jp
e-mail m.kumazawa@takai-foods.co.jp

新規需要米の利用拡大と規格外農産物の有効利用をめざし、高機能粉末食材「加水分解粉末」を開発、製造・販売する。米原料は新潟県のものを、規格外農産物は北海道や茨城県のものを中心に活用する。この自社独自開発技術を活かし、デンプンやタンパク質を含む穀物・野菜を、短時間で物理的に、また酵素併用で加水分解し、即座に乾燥・粉末化を行う。これら完成した「加水分解粉末」は深い旨味を持つと共に、従来法と比較し、糖化や発酵工程を大幅に時間短縮させる効果があり、酒類ならば1日程度、味噌なら3日程度でできあがる。即席麺メーカーでは増粘剤用途に、大手製菓・製パン会社では生地の食感改良目的で量産使用されている。

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