大賞

大賞

農業に元気を! ブランド商品で休耕田の再利用を促進 北海道産飼料用米を活用したオリジナル商品「黄金(こがね)そだち」 生活協同組合 コープさっぽろ

所在地 北海道札幌市西区発寒11条5-10-1
電話 011-671-5797
URL http://www.coop-sapporo.or.jp/
e-mail h.komatsu@todock.jp

食料自給率向上のためには、農地のフル活用が欠かせないが、いまだに多くの休耕田が残されたままになっている。この日本農業の抱える難題を解決すべく、日本一の耕作面積を持つ北海道のコープさっぽろが挑んだ。

休耕田問題を抱える北海道農業

広大な農地を活用した稲作が盛んで、米どころとして知られてきた北海道だが、1970年から始まった国の減反政策や米需要低下の影響を受けて、休耕田が増加し、北海道の農業全体が活気を失い、関係者を悩ませてきた。
北海道全域で共同購売活動を展開し、地元産品にこだわりながら北海道の一次産業の活性化に努めるコープさっぽろは、休耕田の現状を打開すべく飼料用米の利用を促すプロジェクトを立ち上げた。従来、家畜飼料はトウモロコシなどの外国産輸入穀物に頼ってきたが、その一部を道産の飼料用米にシフトすれば、食料自給率向上に貢献できると考えて始めた。このプロジェクトから誕生したのがオリジナル商品「黄金そだち」シリーズだ。黄金そだちとは、道産飼料用米を使って飼育した牛、豚、鶏や、それらの家畜がもらたす牛乳、たまごなどの畜産物すべてにつけられるブランド名である。
全国的に飼料用米を使ったブランド商品は決して目新しいものではないが、酪農王国の北海道で実施する効果は極めて大きいと考え、2010年度に検討が始まった。
まずは、出荷作業の連携によって生産者と古くから密接にかかわってきたコープの強みを生かし、生産者に直接呼びかけた。折しも飼料の価格が高騰していたこともあって7人の生産者が協力に名乗りを挙げ、プロジェクトは動き出した。


一貫したネットワークづくりが急務

プロジェクトを推進するうえで肝心なのは、飼料用米の仕入れから商品の生産、そして販売までを円滑に行うための一貫したネットワークの構築だ。その第一歩として「コープさっぽろ新規需要米協議会」を設置し、飼料用米の仕入先である米出荷団体と畜産、鶏卵関係者の橋渡しをした。その結果、初年度の2010年度には750トンだった飼料用米の取扱量が、2012年度は倍以上の1,598トンと飛躍的に増えた。また、波及効果として、生産者同士の交流が盛んになり、北海道の農業全体を活性化させている。
現在、力点を置くのは生産された畜産物をスムーズに消費者まで届けるネットワークづくりだ。活動を活性化するには、生産したものをいかに多くの消費者に届けるかが鍵となるだけに、喫緊の課題として取り組んでいる。


商品展開の拡大で食料自給率向上をめざす

始動から3年目のまだ若いプロジェクトであるが、道産飼料用米の使用量増加だけでなく、協力生産者は7人から8人に増え、商品のラインアップもスタート時の「黄金そだちのたまご」1アイテムから「黄金そだちの別海牛乳」「黄金そだちの美瑛豚」「黄金そだちの知床どり」「黄金そだちのおこっぺヨーグルト」など、加工品も含めて17アイテムに拡大し、順調に成果を上げている。
なかでも、音更町の竹内養鶏場で生産している「黄金そだちのこめいろゆめたまご」は、99.8%が道産飼料で、そのうち67%が飼料用米という自家配合飼料を使用して生産している。この配合率は、黄金そだちシリーズの中でもっとも高い。


同養鶏場のたまごは一般的なたまごと比べ、黄身が白っぽいのが特徴だ。まさに“こめいろ”そのもので、動脈硬化や高血圧など生活習慣病を予防するといわれるオレイン酸の数値が高いことがわかっている。また、体内でコレステロールに変化するリノール酸は低い値が出ており、総合するとコレステロールが17%減少するなど、栄養や健康面の効果も科学的に証明された。現在、さらなる栄養価の増進や飼料用米の適正配分などを研究中だが、生産者からは飼料用米を使い始めて家畜が元気になったという報告もあり、「黄金そだちのこめいろゆめたまご」の科学的な裏付けが待たれている。
現在、アイスクリーム、やきとりの缶詰などの商品化も計画されている。畜産物は加工の裾野が広いだけに、今後の商品展開に特に期待がかかる。
商品のラインアップが充実すれば、それだけ売場展開も広がり、知名度もアップする。ブランド商品への評価が高まれば、さらにプロジェクトは盛り上がり、生産者の協力も拡大する。また、飼料用米の作付け面積の拡大、休耕田の再利用促進、食料自給率向上というプラスの連鎖が起きることも期待される。まだまだ、発展途上のプロジェクトではあるが、その将来性は極めて大きい。


ページの先頭に戻る